店舗の原状回復にかかる費用は?スケルトン戻しについて解説!

店舗を退去する際、原状回復工事の範囲と費用がどれくらいになるのか気になりますよね。
「スケルトンに戻す必要があるのか」「どこまで撤去すればよいのか」が曖昧なままだと、見積書を見ても判断がつきません。
そこで本記事では、スケルトン戻しと原状回復の違いを整理し、名古屋市周辺でよく見られる費用レンジの考え方、通常損耗の扱い、指定業者のときの確認手順を解説します。
店舗の原状回復とスケルトン戻しの違い

原状回復の定義
一般的なアパートなどの「居住用」賃貸の場合、国土交通省のガイドラインにより「経年劣化や通常損耗はオーナー負担」とされています。
▶国土交通省 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について(2026年2月17日参照)
しかし、店舗やオフィスなどの「事業用」賃貸では、このルールは原則適用されません。 事業用物件においては、「通常損耗や経年劣化も含めて、借主が全額負担して入居時の状態(または指定された状態)に戻す」という特約が結ばれるのが一般的です。
そのため、「事業用の原状回復=借りた当時の状態(スケルトンなど)に完全に戻すこと」になるケースが多い点をまずは理解しておきましょう。
スケルトン戻しの定義
店舗の「原状回復」の条件として、賃貸借契約の特約でよく指定されるのが「スケルトン戻し」です。
スケルトン戻しとは、天井・壁・床などの内装や造作、設備をすべて撤去し、柱・梁・スラブといったコンクリート打ちっぱなしの構造部分がそのまま見える状態に戻す工事を指します。
入居時がスケルトン状態であった場合は、「原状回復=スケルトン戻し」となります。
建物を次の借り手が自由に設計できる状態に戻すことが目的ですが、自前で持ち込んだ厨房機器や内装が多いほど、撤去対象が増えて費用と工期が大きくなるため注意が必要です。
| 用語 | 意味 | 入居時の状態に応じた対応 |
|---|---|---|
| 原状回復(事業用) | 契約時の状態(または特約で指定された状態)に復旧する | 特約がない場合、撤去範囲は「入居時の状態」や損傷の内容で変わる |
| スケルトン戻し | 構造躯体が見える状態に戻す | 入居時がスケルトンなら原状回復と一致する場合がある |
| 特約付きスケルトン戻し | 契約でスケルトン戻し等が明記された返却条件 | 居抜きで入居した場合でも、退去時はスケルトンにする義務が発生することがある |
名古屋市の店舗原状回復費用はいくら?

名古屋市の店舗原状回復の坪単価
名古屋エリアの店舗原状回復費用は、1坪あたり3万〜5万円、20坪あたりで60万〜100万円が目安となっています。
ただし、この金額は撤去する対象と設備の量で変動します。
厨房機器、排気ダクト、給排水など撤去対象が多い店舗では、坪単価が広い価格帯で提示される例もあります。
| 項目 | 坪単価の目安 | 総額目安(20坪) |
|---|---|---|
| 一般的なスケルトン戻し (撤去中心のケース) |
約3万〜5万円 | 約60万〜100万円 |
| 軽飲食店舗 (設備量が増える) |
約5万円前後 | 条件により変動 |
| 重飲食店舗 (設備・配管・ダクトが多い) |
10万円前後 | 条件により変動 |
※上記は目安です。撤去範囲、搬出条件、ビルの管理ルールで増減します。
見積書は内訳を確認する
見積書は合計金額より、内訳の前提条件を確認します。
- ・養生(共用部の保護範囲、エレベーター養生の有無)
- ・廃材処理(分別方法、処分先、運搬回数)
- ・搬出条件(階段搬出、夜間・休日、車両の停車条件)
- ・設備撤去の範囲(ダクト、給排水、電気配線、看板、空調機器など)
- ・諸経費(現場管理費、産廃関連の手数料など)
原状回復の負担範囲を契約書で整理する

原状回復の特約は範囲の確認が大切
特約を読む時は、次の2点を押さえると整理が進みます。
1つ目は、撤去・復旧の範囲がどこまで書かれているかという点です。
2つ目は、戻す基準が「入居時」なのか「指定された状態(スケルトン等)」なのかという点になります。
| 確認項目 | 見る場所 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 返却時の状態 | 原状回復条項・特約 | 「スケルトン戻し」等の文言があるか |
| 撤去・復旧の範囲 | 別紙・仕様書・図面 | 一部撤去なのか全面撤去なのかが曖昧なまま進むケース |
| 基準となる状態 | 引渡し資料・入居時写真 | 入居時の状態が証跡として残っていないこと |
入居時の写真や引渡し資料があると、話し合いが具体的になります。
資料がない場合は、現状写真と「どこまで戻すか」の合意を先に作る方が現実的です。
追加費用を減らすための進め方
追加費用の多くは、工事範囲の認識違いと現場条件の抜けから生まれます。
そのため、段取りは次の順番が分かりやすいです。
- ・現地確認で「撤去する対象」を洗い出す
- ・写真で現状を記録し、撤去範囲の根拠にする
- ・「どこまで戻すか」を文章で整理し、関係者で共有する
- ・工事前に搬出経路・作業時間・養生範囲を確認する
- ・工事完了時に、撤去漏れと残置物の有無をチェックする
この手順を踏むと、追加作業の理由が曖昧なまま進む場面が減ります。
結果として、見積もりの読み違いも起きにくくなります。
まとめ
店舗の原状回復は居住用とは異なり、特約によって通常損耗や経年劣化も含めて借主負担となるケースが一般的です。
見積の妥当性は、坪単価だけで決めず、撤去対象をそろえたうえで内訳を比較して判断しましょう。
指定業者の条件がある場合も、工事範囲と単価の根拠を整理すると、話し合いがスムーズに進むでしょう。